2009年3月27日金曜日

生きた化石の価値

生きた化石と言っても、ごく普通に身近に生息するものもある。ゴキブリやソテツなどはその例である。しかし、化石でのみ知られ、はるか昔に絶滅したと考えられていた生物が、突然、発見されることもある。シーラカンスやメタセコイアの発見は、現在では伝説的な物語として語られる。

化石は過去の生物を知る重要な手掛かりであるが、化石資料は断片的なものが多い。化石に残らない生物があることは当然としても、化石が出るにせよ、化石から知ることのできる、その生物の姿は完全なものではない。内臓器官の構造まで判明するような化石はきわめてまれである。しかし、化石で見つかる生物が、現在も生きて発見されれば、それを手掛かりに化石資料を理解し、逆に化石で分かるその生物の位置付けから、その生物の再評価が可能になる。生きた化石は進化や種分化を理解する上で、分類学や古生物学では重要なものである。たとえばイチョウから精子が発見されたのはその代表的なものであろう。

ただし祖先種の形態を完全に残しているわけではない。鳥のように、分子的には祖先種とあまり変わっていないが形態は大きく変わったものもあれば、サメのように形態はほとんど変化していないが分子的には祖先種と大きく異なるものもいる。つまり表面的に変わっていないように見えるだけで、全く変化していないわけではない。

2007年8月21日火曜日

中華航空機、翼とエンジン接合部の燃料管に不具合か

 那覇空港で着陸・駐機後に炎上した中華航空120便(ボーイング737―800型機)は、右主翼下の第2エンジンをつり下げる「パイロン」と呼ばれる接合部周辺で、燃料をエンジンに供給する管に不具合が起きて燃料漏れが起きていた可能性が高いことが、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会の調べでわかった。

 燃料は主翼内部にある高圧ポンプでエンジンに送り込まれており、事故機は駐機してからわずか数分間で大量の燃料が機外に流出したとみられる。

 事故調などの調べによると、事故機は出発時に約7900キロ・グラムの燃料を搭載し、那覇空港に到着した際の残量は約4700キロ・グラムだった。航空機は、目的地の空港が閉鎖されるなどで引き返したり、別の空港に行き先を変更したりするなどのトラブルを想定して余分に燃料を搭載する必要がある。今回の飛行ルートの台北―沖縄間の飛行時間は1時間20分程度だが、120便は計3時間分の燃料を搭載していた。

 航空機の燃料システムは、主翼や胴体の燃料タンク内の燃料ポンプで燃料に圧力をかけ、金属製の燃料管を通じてエンジン内の噴射ポンプに送り込む仕組み。事故機には、1時間当たり最大約9000キロ・グラム以上の燃料を送り込む能力を持つ高圧ポンプが搭載されている。

 燃料タンク内部の燃料管は、仮に破断しても機外に燃料が漏れることはない。このため、事故調ではタンクの外側にある、パイロン周辺の燃料管の接合部分が何らかの原因で外れた結果、エンジン内部に大量の燃料が流れ落ちた可能性があるとみている。

 これまでの調べでは、地上の整備士が、第2エンジン後方から、大量の燃料が流出しているのを確認している。エンジンには漏れ出した燃料をタービンや排気口などの高温部位を通さずに排出する装置があるが、今回の事故では大量の燃料が漏れ出しており、処理が追い付かず、エンジン内部などにたまった燃料が余熱で気化して引火し爆発につながったとみられている。

 事故調は21日午前、沖縄県警と合同で機体の検証を始めた。また、米国家運輸安全委員会(NTSB)と、米ボーイング社も専門家チームの派遣を決め、22日から那覇空港での調査に立ち合う。

(2007年8月21日15時30分 読売新聞)